「マンガでやさしくわかるアドラー心理学」を読んでみた感想


「マンガでやさしくわかるアドラー心理学」を読んでみました。
きっかけは、ドラマ「嫌われる勇気」を観て、アドラー心理学を実際に読んでみたかったところ、このマンガシリーズをたまたま主人が購入していたため自宅の書棚にあったから。

読書時間は一冊30分くらいでした。

マンガのストーリー

神戸の老舗洋菓子チェーン店に勤める前島由香里(28歳)は、最近昇格してエリアマネージャーになったばかり。売上をあげたくて一生懸命な由香里だが、担当店舗の店長たちは皆頼りなくて手を焼いている。
同僚の野村にはいつもライバル意識を抱いているが、まだ一度も勝てない。
野村は売り上げナンバーワンの成績だけでなく、人当たりも良くて周囲の信頼も厚い。
由香里の担当店舗でも「野村さんがエリアマネージャーだったらよかったのに」と陰口を言われている。
ある日、思うようにいかず悩む由香里の前に小さな幽霊が現れます。
それは心理学者のアドラーの幽霊でした。
幽霊のアドラーは、心理学を用いたさまざまなアドバイスを由香里に伝え、それを実践するうちにいつのまにか由香里も、由香里をとりまく環境にも変化が表れてきました。
その変化によって由香里は大きく成長していきます。

アドラー心理学って?

アドラー心理学の全体像は次のようになっています。


困難を克服する活力を与える「勇気づけ」


「自己決定性」
人間は、環境や過去の出来事の犠牲者ではなく自ら運命を創造する力がある。

「目的論」

過去の原因ではなく、未来の目標を見据えている人間の行動には、その人特有の意思を伴う目的がある。


「全体論」

人は心の中が矛盾対立する生き物ではなく、一人ひとりかけがえのない、分割不能な存在である。

「認知論」

人間は、自分流の主観的な意味づけを通して物事を把握する。

「対人関係論」
人間のあらゆる行動は、相手役が存在する対人関係である。

その他:ライフスタイル、ライフタスクなど

精神的な健康のバロメーター。共同体の中での所属感・共感・信頼感・貢献感の確かさを求めて行動する「共同体感覚」


引用:「マンガでやさしくわかるアドラー心理学」岩井俊憲著 P025より

こう書くと難しいですね。

この中で本書の中心となっているのは目的論自己決定性です。
この2点について描かれていたことを簡単に表すと次のようになります。

「目的論」とは、未来の目標が現在を決定するという未来志向の考え方。
目的論の反対は「原因論」と言って、過去が原因となって現在に影響をおよぼしているという過去志向の考え方。
「目的論」では、人は自分では気がついていなくても、常に目的に向かって努力しているものだと考えられている。
物語の中での由香里の場合は店長たちに目的をはっきり示し、そこに進めるように「勇気づけ」をしてあげることで未来志向に転換する。

そしてこの目的に向かって努力するときに、目的と現実のギャップに苦しみます。
この苦しみが大きいとそれを劣等感と感じることになる。
その劣等感を抱えながら自己決定しなければならない、これを「自己決定性」と言う。
この決定には大きな意味があり、目的に対してポジティブに考えることを「建設的対応」と呼び、ネガティブに考えることを「非建設的対応」と言う。
自己決定するときに目標がわかっていれば、そこに向かって必要な建設的行動が何かがわかる。
それにより未来志向につなげることができる。

またこれらを決定させるのに重要なのがライフスタイルです。
ライフスタイルと聞くと私たちは生活様式を想像するが、アドラー心理学の中でのライフスタイルはその人特有の「思考」や「感情」、それに基づく「行動」などその人自身の特性と、それに基づく周囲の環境を表している。

以上が簡単なまとめになります。
本の内容を細かく載せることができないのが残念ですが、本書の中ではこれらを分析し、対応していくことにより対人関係も改善していく様子が描かれています。
あまりにも簡単にまとめてしまいましたが、気になッた方はぜひ購入して読んでみることをオススメします。

まとめ

アドラー心理学を学ぼうと思うと、このマンガ一冊ではとうてい学びきれないものだと感じました。
しかし心理学初心者や、今まさに問題に直面して悩んでいる人には、30分ほどで読めるこの本は、きっかけ作りとして効果が感じられる一冊ではないでしょうか。
他人の短所を長所に置き換えて考えられるアドバイスなども載っており、薄いながらも中身の濃い一冊です。

おまけ

わたしは本を読むときに付箋を貼りながら読むのですが、読み終えてみたら、この本はなぜか見開きの右側にばかり付箋が貼られていました。
例えば「人右にあるページに描かれていることを重要と感じやすい」とか、心理学的にあるとおもしろいですね。