マツダ(MAZDA)から新しく発売されたMX-30を試乗してきました!
20分程度の試乗ではありましたが、坂道を含む市街地を走行。
MT車好きの主婦が乗ってみて感じたことを率直にご紹介します。
2019年東京モーターショーで発表されたEV(電気自動車)が、MX-30そのものでした。
しかし、今回りリースされたMX-30は2.0リットルガソリン+マイルドハイブリッドという新しいパワーユニットであり、EVではありません。
その理由は、マツダが世界中で市場マーケティングを進め分析した結果、日本市場ではいきなりEVよりもハイブリッドの方が受け入れられやすいと判断したからだそうです。
そのため日本市場では2021年1月に「追加」という形でEVが登場予定となっていますが、詳細は発表されていません。
法人向けリースなどの形態で先行されるかもしれませんが、EVが気になる方はぜひ1月まで待ってみてください。
これまでとは異なるコンセプトのEVに仕上がっていると思います。
マツダのSUVはこれまで「CX-数字」という名称でした。
今回のMX-30はSUVを開発していたのではなく、新しい居住空間と所有体験を追い求めた結果SUVの形状に行き着いたそうです。
そこでマツダは新しい価値を届けるという意味でMXを名称に採用しました。
マツダのラインナップで有名なロードスターは、バブル時代に小型オープンカーという新しい価値を生み出しました。
そのロードスターが海外で名乗る車名がMX-5です。
マツダは「時代を切り開く新しい価値を持つクルマにMXを名付ける」と発表しています。
MX-30は「EVという新しい価値を切り開くための位置づけ」であり、市場環境を加味し「日本では戦略的にハイブリッドを先行発売した」ということになるようです。
ちなみに数字の30は車格(車の大きさ)から付けたそうです。
フロントシートへ乗車する分には、まったく普通のクルマと違いがありません。
ただし、リアシートへアクセスするには、必ずフロントドアを開かなければリアドアを開くことはできないことが特徴です。
これはある意味で、お子さんのいるファミリーには、チャイルドロックのような安全装置としても受け取れるのではないでしょうか。
フロントドアを開ければリアドアも普通に開閉できます。
観音開きという形状に問わずドアが4枚あることと、ドアの大きさが考えられていて絶妙な大きさとなっており、2ドア車と比べてもフロントシートを倒さなくてもリアシートに座れることが便利な点です。
フロントシート用のシートベルトは、上下端ともリアドアに取り付けられているので、リアシートの乗り降りで引っかかることもありません。
後部座席は、座り心地もよく適度な広さがありますので、大人ももちろん快適に座ることができます。
子どもがシートベルトを装着する時に手助けするスペースが十分にあることも安心ポイント。
ところで、観音開きのドアは、実はMX-30だけではありません。
「マツダRX-8」「ミニ・クラブマン」「トヨタ・オリジン」など以前からあり、ドアを不安視する必要はないのかもしれませんね。
MX-30にはグレードという概念がありません。
ベースとなる2WD/4WDを選択し、欲しいオプションパッケージを選択するだけ。
これまでのグレード展開と違い「この機能は欲しいけれどこの装備は要らない」という痒いところに手が届く選択方式です。
ちなみに私は欲しい装備を選んでいたらフル装備になってしまいました(笑)
パッケージオプションには、ステアリングやシフトノブを本革にするもの、音響や安全装備などカテゴリー別に選択することができるので、自分好みのMX-30を選ぶことができるでしょう。
今回、試乗させていただいたMX-30は、2WDの2.0リットルガソリン+マイルドハイブリッド。
エンジンをかけた瞬間は普通のエンジン車ですが、低速では頻繁にエンジンが停止します。
ちょっとしたところでハイブリッドが効いていますが、ストロングハイブリッドではないので極端に燃費が良いわけでもありません。
その分、お値段も手頃になっているのが嬉しいですね。
走り出したタイヤの1回転目からゴツゴツ感のない滑らかな走り心地です。
なんとなく浮いているような感覚。滑らかすぎるくらい。
駐車場から出る歩道の段差も、まるで滑り落ちるよう。
小さな凸凹を感じるのに決して不快でない新しい感覚が、CX-30とは異なる点です。
車道を走り出しても浮いているような走り心地は継続し、ひとつ上のクラスのクルマに乗っているよう(笑)
直線ではしっかり走り、ステアリングを持つ手に力を必要としないので女性も運転しやすそうな印象。
交差点での横揺れが少なく、ステアリングを揺らしてみても車体は大きく挙動せず、ストレスの少ない運転が可能。
「滑らかで上質な乗り心地」という一言が、MX-30を運転した私の感想です。
車格からもCX-30の乗り心地に似ているのかと考えていましたが、予想に反してまるで別物でした。
総じて足回りの不安は全くなく、とても満足な乗り心地の車です。
マツダにとっても新しい組み合わせとなる2.0リットルガソリンエンジンとマイルドハイブリッドシステム。
乱暴な見方をすれば「MAZDA3などの2.0リットルガソリンエンジンにSkyactive Xのマイルドハイブリッドシステムを搭載したもの」と推測。Skyactive Xのガソリンエンジン版とも言えそうなイメージ。
しかし、実際に運転してみるとSkyactive Xのような滑らかで上質なエンジンフィールとは別物でした。
MX-30は、坂道3名乗車でアクセルを踏み込んだ時の加速感は、ディーゼル車やターボ車と比べると物足りないところがあります。
ですが、ハイブリッド車というジャンルでは満足のいく仕上がりではないでしょうか。
スポーツカーというよりは、実用的な車。けれど、実用的な車なのに上質さと上品さがある。
「MX」という車名が語るように新しい概念の車なのかもしれませんね。
そして、これだけは伝えたい!
なんと言っても圧巻なのはブレーキ。とても操作性に満足!
エンジンブレーキを強くかけることができ、下り坂などのシチュエーションでもパドルシフトでダウンさせれば強い制動力を感じられます。
また、フットブレーキの効き具合は、実用性の高い制動力でしっかり止まってくれるセッティング。
アクセルペダルは、マツダお得意のオルガン式ペダル。
運転席に座って左右対称に足を置ける位置に配置された、使いやすく疲れにくいアクセルペダルに仕上がっていてドライブが楽しくなります。
MX-30はスポーツカーじゃないけれど、上品に日常使いできる新しい家族みたいな存在かも。
ボディサイズは取り回しのしやすい大きさで日常使いにとても便利そうな印象。
荷室もフラットで、買い物などの荷物やベビーカーをしまっておくには使いやすい高さと奥行き感が好印象。
フロントシートはパッケージオプションで電動シートも選べます。
電動シートにセットで付いてくる「シートヒーター」「ステアリングヒーター」はすぐに温まり冬場に重宝しそう。
ドリンクホルダーには蓋が付いていて、閉めるとコルクの内装デザインが現れ、統一感ある美しさと上質感が主婦の心を掴みます。
ドリンクを置く位置としても邪魔にならず、便利な位置にセッティングされているかな。
ナビは横長の8.8インチ。
どちらかにすると私はナビ不要派なので、シビアにジャッジ。
第一印象は「横長すぎて不便かな?」です。
でもいざ試乗しながらモニターをチラ見してみると、地図を幅広く見ることができ快適だったのは意外なポイント。
これならナビを車選びのポイントに挙げている友人も満足してくれるかも。
ナビとセットで見るのが、バックするときのモニター。
画像が高詳細になっており、とても見やすくて便利。
360°Safety Packageはぜひつけてほしいオプションです。
ここまで読むと完璧な車かと思えそうですが、残念なポイントもありました。
EVをアピールしたいのかもしれませんが、エアコン部分の操作パネルがタッチパネルになったところが、私好みでなく残念。
同じような感想を持った読者もいらっしゃるかな?
タッチパネルを操作するには、運転しながら視線を移さなければならないので危険でストレスが溜まります。
ここはZOOM-ZOOMなマツダらしくないポイント。
今までは視線を動かさなくても運転席で操作できるのがマツダ車だったのにな〜。
サイドにもスイッチがついているので操作はできますが、ダイヤル式の便利さに慣れてしまうとここも残念な操作感。
デザイン優先で仕上げた印象を受けます。
女性にとって大切なのが、シート。
シート生地は、上質感のある触り心地のよい素材が使われており、シートの形状も腰が疲れにくい設計となっています。
日常使いとロングドライブ、どちらから見ても嬉しいポイント。
また、車内装備のいろいろなところでリサイクル素材が使われており、マツダならではの自然環境への配慮が感じられます。
新しいマツダMX-30は、上質な生活を送るための相棒になってくれる車。
日常使いのストレスを減らしてくれそうな心強さ。
よく切れる包丁は、お料理も安全で楽ですよね。
走りと使い勝手の良い車も安全で楽。ストレスを軽減してくれるクルマで日常のお買い物やドライブが楽しくなりそう。
運転してみても軽快でふわっとした乗り心地は独特の上質さを感じさせてくれます。ファニーなフロントデザインやリアのクーペスタイルなど、スペックよりも感性で選ぶべきクルマだと感じます。
マンション住まいの方にはハイブリッドというのもおすすめしやすい部分ですし、車高も立体駐車場に入る155cmに抑えられています。戸建の人はEVの登場を待ちたいところかもしれません。
観音開きのドアや、コルクを使った内装など一人歩きしている奇抜なポイントもありますが、日常の足として週末のお出かけとして最適なサイズ感をもつ1台。
生活にすんなりと馴染む仕上がりに、作り手のこだわりを感じます。
ぜひ、この感覚を試しにご自身で試乗してみてください。
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