セレナに待望のe-Powerが登場!
セレナと言えば、ファミリー層に大人気のミニバンですね。
そのセレナに家計にも優しいe-Powerが登場したと聞いてはジッとしていられません。
早速、試乗してきちゃいました。
いつも書いていますが、機械的なことは専門家の試乗レポートがたくさんありますので、私はアラフィフ主婦目線でのレポートをお届けします。
私が試乗でお邪魔したのは、近隣にある日産プリンス系列の販売店。
日産もブルーやレッドの時代があったりと、販売店の系列がすっかり分かりにくくなりました。
私たちアラフィフ世代にとって日産プリンスといえば、あのスカイラインを販売する系列店として憧れの存在だったのも懐かしい思い出です。
社会人になってすぐの頃、当時はまだ婚約中だった主人はスカイラインが欲しかったけれど、予算的に難しく手が出なくて嘆いていました。
当日試乗で担当してくれた営業担当さんにその話をしたところ、「僕も同じです」と言っていましたが、日産にお勤めなら手が出ないということはないと思うので、きっと話を合わせてくれたのかもしれません。
お店では特別に面倒な手続きをすることもなく、すぐに試乗することができました。
日産セレナは、ファミリー層に大人気。
これまでもマイルドハイブリッドと呼ばれるハイブリッド車はありましたが、トヨタのNOAH(ノア)やVOXY(ボクシー)のようなストロングハイブリッドと呼ばれる強力なモーター駆動のグレードはありませんでした。
そこに、同じ日産のノートで大人気のe-Powerという駆動方式のグレードが、セレナにも追加されたのです。
e-Powerは、極端な表現をすると発電機付きの電気自動車です。
陸運局への登録の関係でガソリンエンジンが付いているため、ハイブリッドという位置付けになっていますが、運転面からみればもう電気自動車と言えると思います。
電気自動車だと充電が必要なため、マンションや賃貸住宅に住んでいると購入を諦めることも。
しかし、e-Powerなら発電用にガソリンエンジンがついているので、充電する必要がありません。そのため自宅に充電設備のない人でも購入することができます。
電池が切れる前に発電用エンジンが動き、搭載されているリチウムイオン電池を充電してくれます。
しかも、このガソリンエンジンは、排気量がたった1.2リットルほどの小さなエンジン。セレナほどのボディサイズに1.2リットルのエンジンが乗る日が来るなんて、想像もしていませんでした。
また、このエンジンのためのガソリンタンクは、55リットルとなっています。この容量でカタログ燃費が26.2km/Lとなると、給油をする回数はかなり減りますね。
実際の走行燃費はまだ情報がなく不明ですが、電気自動車なので単純な比較は難しそうです。
それから、e-Power車には、トランスミッションがないことも大きな違いです。
モーターからタイヤへダイレクトに駆動力を伝えるため、駆動エネルギーのマイナスがほとんど出ないことも燃費向上につながっているのかもしれません。
アクセルペダルは、ラジコンのアクセルつまみと同じ仕組みと言えます。アクセルペダルを踏んだだけ、モーターが加速。その加速性は運転に不慣れな人にも予想しやすいものです。
充電が満たされている間は電気自動車として走り、ガソリンエンジンが作動していないため本当に静かです。これはプリウスなどからも想像できると思います。
充電用のガソリンエンジンが作動したときは、少しだけエンジンの振動が車内に伝わります。これはいつエンジンがかかるのか注意していると、エンジンが作動していることが分かる程度です。
そして、エンジンは発電に最適な回転数を維持するため、エンジン回転数の増減がほとんどないそうです。また、エンジンからくる振動も大きくならないようにチューニングされているので、静かな車となっています。
販売店で実車を前にすると分かりますが、セレナは大きめな車です。
その大きな車を発電用の小さなエンジンと電気モーターで動かしているなんて、本当に技術の進歩に驚くばかり。
セレナe-Powerのセールスポイントは、大きな車体を小さなエンジンと電気モーターで動かすため車内にいても騒音や振動が少なく、そして車内が広々としているところでしょう。
騒音や振動が少ない車は、運転しているお父さんと、そして同乗している大切な家族にも負担が少なく快適なドライブを実現してくれます。
また、ドライブ中は赤ちゃんや小さなお子さんが眠っていることも多いと思いますが、ドライブ中の騒音や振動が少ないことは安眠を邪魔する心配がありません。
セレナe-Powerは、燃費がよく騒音が少ない箱型ミニバンに乗りたいファミリーにオススメだと感じました。
セレナのアクセルを踏み込むと、ダイレクトに車が発進します。
もちろんクリープ現象があるので、ブレーキを離しただけでも少しだけ前に出る感じはありますが、AT車ほどの影響はないかなと感じました。
アクセルペダルを踏み込むと、CVTやATのような空回りする部分がないので、本当にラジコンみたいな加速を体感できます。
例えるなら、電車の加速に似ているかな?
電車より、かなりスポーティーです。
アクセルのレスポンスは、とてもよく、MT車に近いアクセルワークを可能としています。
MT車好きのお父さんがMT車の設定がない箱型ミニバンを買うとしたら、ぜひこのセレナe-Powerを選択肢の一つに入れて欲しいと感じる車です。
セレナe-Powerに搭載されているモーターは、ノートe-Powerよりも大きい 100kW/136馬力のモーター。
また、e-Powerはアクセルペダルを踏み込んだ瞬間から太いトルクを感じることができます。これはエンジンを吹かして回転数をあげないと馬力を出せないガソリンエンジンと、アクセルを踏み込むだけで強いパワーを発揮できる電気モーターの違いを一番大きく感じられるところです。
私が試乗した時は3人乗車での走行でしたが、この時の感覚ではフルに7人(e-Powerは8人乗りのシート設定がない)で乗っていても非力に感じることはないだろうと思います。
ドライブモードは、ノーマル/エコ/Sという3種類の設定があります。
ノーマルモードは、普通のAT車と同じような感覚で運転できます。e-Powerに慣れるまでは、このノーマルモードが良さそうです。
エコモードは、より燃費をよくする走りに近づけるように、ゆったりとラグジュアリーな感覚での走行。
家族のために優しく運転したい人は、このエコモードがあっているかもしれませんね。
そしてSモードは、スポーティのSかなと想像してしまうような走りです。加速性はノーマルモードと大差ありませんが、ブレーキの仕組みに少し違いがあります。
Sモードでは、アクセルペダルを離すとエンジンブレーキが強くかかります。そして、低速走行では、アクセルペダルを離すとそのまま車が停止します。
停止中や走行中にブレーキペダルを併用することも可能ですが、アクセルペダルを踏む/戻すの操作だけで運転ができてしまうので、アクセル操作とブレーキ操作でペダルを踏み変える必要がありません。
ワンペダルで運転ができるというのは、こんなに楽なのかと感じました。
ただ、アクセルペダルを戻すと強いエンジンブレーキが効くので、走行中はずっとアクセルペダルを踏んでいる必要があるところはストレスになります。
このストレスは、慣れたり長距離を乗ったりすると変化するのかは、実際に購入してみないと分からないところですね。
その他にも電子式のメーターに様々なモードが備わっているようなので、マイカーとして乗りこなしてくる頃には細やかな設定を発見できるかもしれません。
ファミリー層をターゲットにしている車種らしく、さまざまな快適装備が満載です。
キャプテンシートになっているセカンドシートは、ゆったりと乗ることができます。
(e-Powerは2列目ベンチシートタイプがないそうです)
それぞれ独立してゆったりと座ることもできますが、左右のシートを寄せることも可能です。また、後ろに大きくスライドすることもでき、足元が50cm以上ある広々とした空間をつくり出せるのは素晴らしいですね。
キャプテンシートには両肘部分に肘置きがついているので、手の置き場に困ることもなく、優雅にドライブが楽しめそうです。
それぞれのセカンドシート・サードシートの前方には、ドリンクホルダーがついたミニテーブルが備えられています。ちょっとした物を置くこともできますし、ドライブには欠かせないオヤツタイムにも重宝しそうですね。
各シートにはUSB充電端子がついているので、iPhoneやiPadなどで動画を見ていても充電しながら利用することができるのは新型車らしい装備。
ミニテーブル以外では、ドアポケットにあるドリンクホルダーはおまけ程度の装備と考えた方が良さそうです。
主婦として嬉しくて便利そうな装備として、後部ドアに内臓されているサンシェイド。
広範囲に窓を隠すことができ、横から差し込む日差しを和らげてくれます。視認性も高いので、運転手の視界を邪魔せずに、アラフィフ主婦の大敵である直射日光を遮ってくれるのは嬉しいですね。
試乗車には付いていませんでしたが、ナビは純正で9インチナビも選択可能です。
「音の匠シリーズ」という高音質なヘッドユニットが選択できるようですが、スピーカーとアンプが標準装備のままなのは少し惜しいところ。
この「音の匠シリーズ」は、ヘッドユニットの中で車内空間の解析をし、最適なバランスで音を流すことができるナビユニットだそうです。
せっかくなら、BOSEスピーカーセット(防音材の埋め込みを含んだ)を選択できるような設定が欲しかったな。
私が試乗したハイウェイスターVは、本革のステアリングでした。
この本革ステアリングは握り心地も良く、操作しやすくてよかったです。
この本革ステアリングはオプションで選択することができるようなので、もし購入するならつけたいな。
これだけが残念だったポイントなのですが、オプションとしても本革シートがないところです。
我が家は犬を多頭飼いしているため、ペットの毛が掃除しやすい本革シートを希望しています。セレナにも皮様のシートはありますが、本革ではなく合成皮革になってしまいます。
本革と合成皮革では耐久性が全然違いますので、これは残念でした。
本革シートはありませんが、ラインナップには防水シートがあります。
この素材は本格的な防水のビニールシートではなく、少し柔らかい素材だそうです。
実車を見ることができなかったため詳しいことは分かりませんが、飲み物をこぼしてしまうことがある小さなお子さんのいるご家庭や、ペットの毛など掃除がしやすい材質を希望する人にオススメですね。
私が購入するなら欲しい装備は、運転席と助手席のシートヒーターとステアリングヒーターです。
冬場に近距離へ家族を送迎するだけだと車内が暖まる前に運転することも多いですよね。
そんな時に便利なのがヒーター機能です。ヒーターなら運転作動後まもなく暖かくなるため、冷えがちな女性には嬉しい機能です。
その他オススメなのが、車体カラーにe-Power専用色カラーとして用意されているミントホワイトパール。
追加料金が必要な特別色ですが、上品な淡いミントグリーンはキレイで、遠目ではホワイトに見えるような清楚なカラーはプチセレブ心をくすぐります。
晴れた日にはすごく映えるだろうな。
あと他にも欲しかった装備で、ラインナップにないものがいくつかあります。
セカンドシートのシートヒーターやワイパーデアイサーなどは設定がなく、寒冷地仕様を選んでもつけることができません。
また、明るくて球切れの少ないLEDヘッドランプを選ぶと雪などが溶けにくくなりますが、ヘッドライトウォッシャーなどの装備がなく、雪道での走行に不安が残ります。
そして、4WDの設定がありません。前輪駆動のみとなっています。
まだ発表されたばかりのセレナe-Powerですから、今後追加で4WDグレードが追加されることに期待ですね。
ただし、4WDの設定はありませんが、微妙なアクセルワークでもスリップすることなく運転しやすい電子制御がされているそうです。どれほどの効果があるのかは体験していませんが、少し安心できるポイントです。
セレナe-Powerは、青いメッキ加工のされたフロントグリルが目印の箱型ミニバンです。
ノートe-Powerもそうでしたが、一目でe-Power車だと分かるグリルは、ちょっとした憧れになりそうですよね。
スポーツグレードのNISMOも含めて、これからますます人気が高まりそうなセレナe-Powerに注目が集まりそうな予感。
オススメポイントは
残念なポイントは
当記事では、ハイブリッド車より走行性能に定評がある電気自動車よりのセレナe-Powerを紹介しました。
気になるひとは、お近くの販売店で試乗してみてはいかがでしょうか。