Appleが新しいiPadを発表しました。
以前別の記事で書きましたが、私は近い将来iPhoneは消えるのではないかと想像しています。
最近のAppleを見ていると、その印象はますます強まるばかりです。
しかし、iPhoneが消えたとしても、Appleは廃れないでしょう。
Appleがガジェット界の発展を牽引してきたことは、紛れもない事実だからです。
そのAppleが新しいiPadを発表したことで、iPhoneをはじめとするスマホが淘汰される時代に近づいたのではないでしょうか。
この記事では、新しいiPadから見るAppleの見据えている未来を予想します。
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この日、アメリカのシカゴにある学校で、Appleの新製品発表会が行われました。
そこで発表されたのが、新しいiPad。
新しいiPadが発表されたということだけでは、大きなニュースではありません。
しかし、この発表には新しいiPadという製品ではなく、Appleの企業方針もしくはAppleが目指す未来の方向性が隠されているのではないかと感じました。
Appleには大小さまざまな転機がありました。私がAppleの大きな転機だったのではと思っているのは、次の三つです。
ジョブズ氏の復帰後に発売されたiMac・iBook、そしてiPod・iPhoneは、人々のプライベートタイムを大きく変えました。
私も変わった一人です。
それまでの私は、自宅では大きな自作PCを使い、通勤はポータブルCDで音楽を聴き、簡単なメッセージは折りたたみ携帯で送っていました。
やがて自作PCがiMacに変わり、自宅のリビングからはインテリアを邪魔する無機質な物体がなくなり、音楽を聴くこともメールやメッセージもiPhoneひとつで済んでしまうようになったからです。
手軽に音楽を聴いたり、インターネットで調べ物をしながら内臓カメラで決定的瞬間を撮影する事ができるようになったのですから、この10年でAppleが人々に与えた影響は凄まじいものがあります。
今回のiPad発表前に印象的なCMが流れていたのを知っていますか?
— CM —
iPadを操作する子どもに大人が聞きます。
大人「パソコンで何をしているの?」
子供「パソコンって?」
——-
誰もが便利に感じる今日においても、インターネットインフラから疎外されている「ネット難民」は、まだたくさんいます。
ネット格差は、同時に機会の損失を招きます。
Appleは、こうした現実を変えたいのではないでしょうか。
このCMに隠されたメッセージとは、「誰もがあたりまえのようにITを使いこなせる世界を作りたい」ということなのだと感じます。
では、今回のiPadはどのような変化があったのかと言うと、さほど大きな変化ではありません。
これだけでも素晴らしいことだと思います。
しかし、隠された本当の凄さとは、iPadを使うことで子どもの頃からテクノロジーに触れることで誰もがIT事業を起こせる土台を創ったということです。
もちろん、独自性に乏しい印象があると思います。しかし、子ども向けソリューションを用意周到に準備してきたAppleです。他社とは一線を画すものと言えるのではないでしょうか。
このように、小さな子どもから専門家まで幅広くユーザーを想定した開発を目指しているのが分かります。
これからは「どんなモノが優れているか」という時代ではないでしょう。
「どんな体験が素晴らしいか」が求められる時代です。
そのきっかけとなる今回の発表をジョブズ氏抜きで達成したことに、私はAppleの新しい可能性を感じました。
世の中を変えよう。人を幸せにしたい。
そういう企業としての姿勢が、今回のiPad発表会から感じられました。
Appleは製品ではなく、世界を変えようとしています。
誰もが幸せになれるような世界。小さな子どもからお年寄りまでがガジェットに使われるのではなく使いこなして幸せになれる世界。IT格差のない世界。
そんな風に変えたいのではないでしょうか。
これからの10年は、私達の想像をはるかに超える新しい体験をAppleが創り出してくれると期待します。