2012年に登場した3世代目となるGJアテンザが、2015年に大きなマイナーチェンジをし話題になったのは記憶に新しいのではないでしょうか。
そして、2018年6月。GJ系では2回目となる3世代目アテンザの更なるマイナーチェンジが実施されました。
アテンザは、車雑誌などで特集が組まれるようなメジャーな車種ではありませんが、MAZDA(マツダ)のフラッグシップモデルとして重要な位置づけとなっていて、とても魅力的なポイントをたくさん持ち合わせた車です。
さっそくMAZDA(マツダ)さんで新型アテンザを試乗させていただきました。
乗ってみた感想は、エンジン・デザインともに一新されていて、もはやマイナーチェンジではなくモデルチェンジと呼んでも良いのではないかというほどアップグレードされているということ。
本記事では、今回のマイナーチェンジでどこが変わったのか、そして大幅改良により磨きがかかった隠れた魅力についてもたっぷりとご紹介します。
現在アテンザに乗っているオーナーさんはもちろんのこと、アテンザが気になっている人も、これを読み終わる頃にはアテンザの試乗を予約していることでしょう(笑)
アテンザのエンジンには次の3種類あります。
今回のマイナーチェンジでは、2.5Lガソリンと2.2Lディーゼルが改良されました。
その中でも注目したいのは、2.5Lガソリンエンジンでしょう。
気筒休止システムを搭載。エンジン負荷の少ない状況下では、4気筒エンジンの2気筒を休止させてしまいます。
動いているエンジンが半分になるのだから、燃費が良くなることは当然ですね。
この機能が効果を表すと予想されるのは高速などの安定走行をする場面ですが、実は街乗りでもこの気筒休止システムが働きます。
それは、バイパス・国道などを走行する時。一般道を走行する時にも頻繁に4気筒と2気筒を繰り返すそう。
でも、この気筒休止がいつ行われているのか、ユーザーは気づくことも知ることもありません。
なぜなら、気筒が切り替わるショックを感じることもないし、メーターパネルに気筒休止されていることを示すインジケーターなどがないから。
また、同様にインジケーターがないものに、Gベクタリングコントロールもあります。
きっとMAZDA(マツダ)は、「燃費を向上させるが、ドライバーには燃費だけを意識した運転にならず楽しんでほしい」と考えているのではと感じます。
さて、アテンザと言えば、2.2LディーゼルエンジンXDが目玉グレード。
この2.2Lディーゼルエンジンも大幅に改良され、1回のエンジンストロークの中で最大6回の燃料噴射を行い、多くの環境下で最適なエンジン燃焼を実現しました。
例えば、1回しか燃料噴射をしない場合は、その1回でピストンを強く押し下げることになりますが、燃料噴射を6回にすることでジワジワとピストンを押し下げ続ける効果があります。
そのためエンジン回転が滑らかになり、ディーゼルエンジンの特徴でもあるトルクがさらに太く感じられるように。
エンジンが滑らかになったことで、自分が乗っている車がディーゼルエンジンだと気づかない人もいるのではないでしょうか。
ひと昔前のディーゼルエンジンからは想像できませんね。
それほど新型2.2Lディーゼルエンジンは素晴らしいできばえとなっていて、この部分だけでも新型アテンザに買い替えたくなるほどです。
この新型2.2LディーゼルエンジンはCX-8で国内初登場となりましたが、MAZDAは惜しみなくこのエンジンを2018年のCX-5商品改良、そして今回のアテンザの商品改良にも搭載してきました。
「いつでも最高のクルマをユーザーに届けたい」
そんな思いが詰まったMAZDAの商品戦略はとても魅力的であり、モデルチェンジを待つことなく欲しいタイミングで購入した車が、その時点での最高の車であることを誇りに感じられることでしょう。
買い時を悩まずに済む車づくりは、ユーザー目線で見ても選びやすく、ますます目が離せない予感です。
今回のマイナーチェンジで改良された箇所の中で私が注目したのは、次の部分です。
【外装】
【内装】
最も大きく変化したのは、フロントデザイン。
水平基調だった押し出し感のあるフィンのフロントグリルから、ドット状の奥まった印象を持つエレガントなグリルに変更されました。
フロントカメラはエンブレムの下に配置。周囲に溶け込むように工夫されていて、デザイン性を邪魔しません。
最近のコンパクトカーに見られるような、フロントグリルを四角く切り抜いてカメラを設置せず、デザインを重視しているところにMAZDAらしさを感じます。
今やMAZDAを表すシグネチャーラインも大きく太くなり、ヘッドライトの下を走るように施されています。
カッコイイーー。
ヘッドライトの薄型により、より精悍な顔つきになった印象を受けます。
フロントウィンカーもLED化でより薄型になりながらも、視認性が高まりました。
そして、フォグランプが廃止されました。これも大きなポイント。
これは、フロントヘッドライトの照射範囲が拡大され、フォグランプの照射範囲までカバーできるようになったからです。フォグランプがなくなったことで、よりスタイリッシュなデザインになっているのではないでしょうか。
今回の試乗では夜間走行を試していません。そのためライト類の機能面を確認できず、デザイン性の違いのみを確認したにとどまりました。今後はぜひ夜の高速道路で20分割LEDのハイビームを試してみたいです。
さて、ライトと言えば、セダンリアのコンビライトがLED化され一新しました。
よりいっそう薄型化され丸型基調のブレーキランプは、半丸に直線が切り込むようなシャープなデザインになりました。
また、トランクリッドのメッキパーツは、リアコンビランプの間に切れ込むようなラインで力強さを演出しながらアクセントとなっています。
ワゴン系のリアコンビランプもデザインは新しくなりましたが、ウィンカーとバックランプはバルブとなっており、セダンと差別化。ワゴンユーザーには少し残念な点ですね。
欧州では「しっかりとしたワゴンがラインアップされていないとセダンも売れない」と言われています。そう言った意味からも、今後ワゴンのリアライトもLED化されるのではと期待。
新型アテンザに搭載された純正ホイールは、これまでのホイールとは印象が異なります。
力強い骨太な印象。グレードによって色が違うので、選ぶ時には要チェックです。
写真は、XD Lpackageのホイール。マイナーチェンジ前のXD Lpackageは黒っぽいホイールだったので、ガラリとイメージが変わりますね。
ただ一点残念な点があります。それは、洗いにくそうなところ。
ホイール専用のブラシでも届かない凹みがあるので、ピカピカなアテンザを保つにはホイール洗いを極める必要がありそうですね。
あ、その前に、プチセレブは自分で洗車しないかな?(笑)
内装では、これまで分割されていたセンターコンソールが1つのパーツになり、よりスッキリとした高級感を醸し出しています。
写真ではわかりにくいですが、センターコンソールの作りはクルマ好きにとって重要だと思います。
こういった些細な場所にも全力で取り組む姿勢は、私は好きですね。
エアコンのコントローラーや吹き出し口も薄くシンプルになり操作しやすく変更されました。
エアコンのコントロールダイヤルは小さくなりましたが、不思議と操作しやすくなっています。「大きいから便利」「大きい方が操作しやすい」という訳ではないようです。
より操作しやすく、そしてエレガントなデザインは、新旧を比較してみて初めて気がつく細かなアップデートであり大きな進化だと言えるでしょう。
コンソールボックス内部のデザインも少し変わっています。
今回大きくご紹介したいのが、後部座席に付けられたUSB電源。
後部座席のUSB電源は、オーディオなどとは繫がっていない独立型の電源となっています。
これで子ども達がスマホを充電したいと言っても安心。長距離の旅行でも家族全員分の充電を同時にできるように。
このおかげで些細なケンカが減るかもしれませんね。