MAZDAは、今回のマイナーチェンジを「大幅改良」と表現しています。
見える部分はもちろんのこと、見えない部分にまで相当なコストをかけて改良を進めたことが感じられるのではないでしょうか。
GJアテンザ2012年モデルの乗り心地は、ディーゼルエンジンのトルクは十分な手応えとしてありましたが、FF特有のフワッとした乗り心地は差別化できていませんでした。
2015年モデルでは4WDが追加されたこともあり、XD L Package 4WDの走りはFFというよりFRに近いものを感じられるものに。
そして2018年モデルではさらに大幅改良され、発車した瞬間から安定したエレガントな、それでいてスポーティーな走りの車へと進化しています。
例えば、今回の改良では、これまでとは違う鋼板を使ったりと、ボディ剛性向上のための補強が随所に加えられています。それによりコーナーや交差点でも後部座席に座っている家族が振られたりすることが軽減されています。
そして足回りとなるサスペンションにも手が入っていて、乗り心地が更に向上。アテンザ専用にチューニングされたブリヂストンのタイヤは、走っている時のロードノイズを低減し一層のラグジュアリー空間を演出。
エンジン始動の瞬間から静粛性を感じ、車が動き出した時からシッカリとした接地感が得られます。
これまでのアテンザも決して悪くなかったはずなのに、今までよりずっと誠実で確実に思ったとおりの車線をトレースしてくれることは、ドライバーにとってこの上ない楽しみに感じるでしょう。
エンジン回転数の伸び・トルクの高まり方・登り坂での軽やかな加速、どれをとってもスムーズで、それでいて音も振動も静か。
ディーゼルエンジン特有の「カラカラ音」「ドルンドルンといううねり」を感じなかったので、試乗車はガソリンエンジン車だと思い込んでしまったほどです。
これは、ナチュラルサウンドスムーザーと最大6噴射(エンジン点火あたり)という燃料噴射機構が効いているのでしょう。
ディーゼル車が上質でエレガントなクルマの仲間入りをしたと感じました。
車幅184cmと聞くと、女性は運転が心配になるのではないでしょうか。
この疑問については、実際に試乗してみるのが一番。
運転してみて大きさを感じてみてください。
私の身長は、女性の平均かそれより低いくらいですが、運転していてボディサイズを大きく感じることはありませんでした。
試乗したXD L Packageは電動シートになっていて、シートがかなり上まであげられました。ちょうど良いポジションで運転すると見通しも良く、車幅感覚も掴みやすいデザインなので5ナンバーサイズと同じような感覚で運転できます。
バイパスなどのスピードがのる道路では、さすが184cmと頷ける安定感があるのも女性には向いていると言えるでしょう。
試しにスーパーの駐車場へ停めさせていただきましたが、車庫入れもバックミラーだけでも感覚が掴みやすくて楽でした。試乗車には360°モニターがついていましたが、慣れたら頼もしいツールかもしれませんね。
ただ気になったのは、一台ずつ車体の下に機械がつけられているタイムズなどのコインパーキングは、タイヤの通るラインがギリギリになりそうな気がしました。
大きめなボディサイズは、運転面では気になるかもしれませんが、助手席や後部座席で過ごすには快適なものです。
初めて乗ってみて驚いたのは、「運転席と助手席の間が遠い!」ということ。
この広さを知ってしまうとコンパクトカーには乗れなくなってしまいそう。
シートに座るとカラダとドアの間にも余裕があるため、トートバッグを置いても余るほど十分なスペースが。
贅沢を言えば、これでオットマンがオプションで選べたら最高なんだけどな(笑)
後部座席に座ってみると、こんな感じです。
助手席のシートは、後ろまで下げてある状態。それでもこの広さが確保できるのは、運転する自分だけでなく家族の疲れを軽減し楽しいドライブができそうですね。
個人的には、ハイヤーで使ってもらいたいクルマだと思いました。
後部座席に読書ランプをつけてもらい、経済新聞を読みながらパーティー会場へ移動する・・。それほど走り心地も室内もラグジュアリーな仕上がりとなっています。
読書ランプと言えば、ルームランプも変わりました。
LEDになり、より省電力になりながらも明るさアップ。後部座席でメイクをするのにも便利そうです。
断然オススメなのは、XD L Package。
安全装備・快適装備と価格が、とても良いバランスに仕上がっているからです。
車雑誌でオススメするグレードとして紹介されるのは、アテンザの他CX-5でも「XD Proactive」ですが、私はそう思いません。
実際に乗ってみて「これだ!」と感じるのは、満足度の高さと価格以上の価値を感じられるL Packageです。
L Packageは、レーダー類の安全装備も充実しているし、カタログにわざわざ記載されていない細かな優遇装備があるからです。それに、Proactiveにオプションで付加していくことを考えたら、最初からL Packageにする方がお買い得になっています。
L Packageは、内装もエレガント。シート生地を「白」と「濃茶」の本革シートを選ぶことができます。
このシートは電動となっていて、2ポジションのメモリ機能がついています。これなら夫婦どちらが運転する時でもシートセッティングが煩わしくないですね。
電動シートは、座り心地も大変軽さを感じられる設計で、試乗中もカラダの落ち着きが良く快適でした。マイナーチェンジ前のアテンザから比べても、乗り心地を研究し大幅に改良したのではないかと感じます。
シートヒーターにシートベンチレーションが備わったレザーシートは、見た目と肌触りだけでなく、体感も快適なドライブをサポート。真夏日を記録した高温のなかで試乗しましたが、シートベンチレーションのおかげでドライブは快適そのものでした。
細かな部分に装飾が施されているため、L Packageはラグジュアリー感が全然違います。
室内インテリアを例にしてみます。画像の中に黄色の楕円で記したところがL PackageとProactiveで違うところになります。
レザーなどの部分を除いても、かなり違いがあることが分かるのではないでしょうか。
特に、インパネデコレーションパネルとエアコンルーバーベゼルは、追加でオプション代金を出しても追加したいと思うのですが、Proactiveにはオプションでもつけられないものになっています。
インパネデコレーションパネルは、本杢(セン)が使用されていて、居心地の良い落ち着きある空間づくりのポイントに。そして、エアコンルーバーベゼルはピアノブラックとなっていて、Proactiveのマットブラックと比較すると上品です。
全部を書き出したら文字数が凄くなりそうなので割愛しますが、L PackageにはProactiveとの価格差以上に満足感をアップさせてくれる付加がつけられていると言えるでしょう。
マイナーチェンジでツイーターの位置が変更になりました。
これまではフロントガラスに音を反射させて臨場感を出すタイプの音作りでしたが、マイナーチェンジでドアミラー取り付け位置の内側にツイーターが埋め込まれる仕様に。これにより、耳にダイレクトに、そして粒立ちの良い音質になった気がします。
静かになったディーゼルエンジン XD L Packageの中で、BOSEのスピーカーから流れるジャズを聴きながら、大好きな旦那様とドライブできたら楽しいだろうな〜。
マイナーチェンジしたアテンザをまとめると・・・
いかがでしょうか。あなたも新型アテンザを試乗してみたくなりましたか?
試乗に行くならMAZDAの公式HPから近くの販売店と試乗車両のラインアップを確認し、予約をしてから行くことをオススメします。
私は予約をしてから行きましたが、予約なしで来店した方は「アテンザは試乗の予約が入っていて、今日試乗できるのは、早くても4時間後になります」と話していました。
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