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カーペンターズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団に感動

 

つい先日、リチャード・カーペンターさんが朝のテレビ番組に出演しているのを見かけました。

リチャードは、新しく発売された「カーペンターズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団」のプロモーションで来日し、出演していたそうです。

番組では、代表的な2曲をピアノで演奏。
朝の忙しい時間だったため聞き流していましたが、それでも、その演奏に私は涙が止まらなくなるほど印象的でした。

 

リチャードは作曲・編曲・演奏を担当しカーペンターズの曲を一番よく知る人物。

そのリチャードが直接70人ものロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の指揮をとり完成させたのが『カーペンターズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団』。

リチャードは「当時予算がなくて満足な音源を作ることができなかった」と悔やんでいたそうです。

そんな彼が魂を込めて作ったアルバムは、もはや最新作ではなく「完成版のカーペンターズ」と言えるのではないでしょうか。

 

こんなにも人を惹きつけてやまない音楽が、新作ではどのように仕上がっているのか気になります。

さっそく発売された音源を取り寄せて聴いてみました。
それでは、完成版カーペンターズの魅力をご紹介します!

 

カレン・カーペンターの存在

カーペンターズと聞いて思い浮かべるのは、透明感あるカレンの歌声ではないでしょうか。
カレンの歌声がなければカーペンターズは埋もれていたかもしれません。

それだけカレンの存在はカーペンターズになくてはならないものだったのです。

 

素晴らしいジャズドラマー

カレンは、もともとジャズドラマーであり、しかも相当な腕前でした。

演奏しながら歌うカーペンターズ初期のスタイルを懐かしむ声は少なくありません。

歌いながらドラムを演奏するのは、簡単そうに見えてとても難しいこと。

それをやってのけていたカレンは、素晴らしい才能を持っていたのかもしれませんね。

私が感じるカレンの魅力は、ズバリそのリズム感にあります。

ミドルテンポ・スローバラード、どんなテンポでも乱れないカレンの歌は、リズムが抜群に良い。

これはドラマーであったことが、シンガーとしての才能を際立たせたのだと感じます。

そこにいるカレンの歌声

リミックスされた歌声は音像の密度が濃く、この音源がどこに残っていたのかと感じるほど。

発声する前のブレスさえも感じられる生々しさは現代の最新録音技術が表面化させてくれたのかもしれません。

心地よいロングトーンやビブラートにも艶やかさを感じます。

なんと言ってもカレンの聴き取りやすい英語は、日本人の耳にも残りやすい歌詞となったことが大きいでしょう。

 

リチャード・カーペンターの存在

リチャードは「カーペンターズ」にとって、単なるカレンの兄や伴奏者ではありません。

カーペンターズを最も愛し、その音楽をより輝かせようと今も努力しているのが彼なのです。

 

完成させたかった楽曲

「当時のカーペンターズは多忙ではあったものの予算がなかった」「やり直したい」リチャードはかねてからそのように発言することがあったそうです。

「遥かなる影(Close to you)」のオリジナル音源にはバイオリンが10名ほど参加していました。

しかし、リチャードはもっと深い演奏をイメージしており、けっして満足していなかったようです。

今回は、バイオリンの人数を4倍に増やしたとのこと。

同じアレンジでも音の柔らかさと奥行きが増しているのは、そのような工夫からでしょう。

リチャードは最新版を作成したかったのではなく「完成版」を作りたかったのだと感じる一面です。

 

オーケストラを指揮

故人のアルバムをリマスター・リミックスする場合、多くは第三者がプロデューサーになります。

しかし、今回のアルバムではリチャード自らがオーケストラの指揮までも行っています。

カーペンターズの楽曲全てを知るリチャードだからこそ可能だったこと。

「完成版」を作成するにあたってリチャードには編集すべき「曲・パート・アレンジ」が明確にあったのでしょう。

 

カーペンターズは終わっていない

リチャードはカレンの亡き後もカーペンターズの音楽を守るためにさまざまな活動を行っています。

マスコミはプライベートなできごとやスキャンダルでドキュメンタリーを作りたがるものです。

けれどもリチャードはこれらを断り、楽曲としてのカーペンターズをかたくなに守ってきたのです。

 

唯一無二な音楽の源

公式にはカーペンターズの活動期間は、1969年から1984年となっています。

しかし多くの人が思い浮かべるカーペンターズの代表曲は、1970年代前半の数年間に作られたもの。

その後のロックやディスコ・ブームなど、時代に流されずカーペンターズの音楽としてあり続けたのは、リチャードの功績と言えるでしょう。

カーペンターズは、いつの時代にも「カーペンターズ」であり続けたのです。

 

新しく完成されたアルバム

2018年8月、今回の「完成版」アルバムを作成するために、リチャードはビートルズで有名なロンドンのアビイ・ロード・スタジオにロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を集めました。

どの曲のどこが変わったのか、パッと聴いただけではわからないかもしれません。もちろん新しく録音されたことがわかる曲もあります。しかし、その編曲があまりにも素晴らしく自然と昔からそのアレンジだったように感じます。

そのくらい収録曲は自然に仕上がっています。

リチャードは過去のイメージを壊さずに「完成版」を仕上げたのです。

従来ならベスト盤と呼べる選曲も、曲間をつなぐオーケストラの演奏により一体化されたアルバムとして楽しめます。

 

今日のおさらい

当記事では、新しく発売されたカーペンターズのアルバム「カーペンターズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団」についてご紹介しました。

内容をまとめると・・・

  • ・カレンの歌声こそがカーペンターズ
  • ・リチャードはいまも活動を続けている
  • ・新しいアルバムは最新ベスト盤ではなく「完成盤」

70歳を越えるリチャードは今もカーペンターズの音楽を伝えるために活動しています。

2018年12月に発売された「カーペンターズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(Carpenters With The Royal Philharmonic Orchestra)」はこれまでのベスト盤とは異なり、ロイヤル・フィルハーモニー管弦団の演奏が新しく加えられています。

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それはよくあるリミックスではなく、あなたが思い浮かべるカーペンターズの音を深化させています。

原曲にほんの少し手を入れた程度の内容であり、分からないかもしれません。

しかし、これまでカーペンターズを聴いてきた人にも。これから新しく聴く人にも新しい感動を与えてくれることでしょう。

 

もしオーディオ機材が許すならば、ぜひアナログLP盤で楽しんでいただきたいアルバムです。

 

現代にも色褪せることのないカーペンターズをお楽しみください。

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この記事を書いた人
約40年近く続けてきたドラムとドライブが趣味のアラフィフ夫ことchiroです。
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