2019年5月24日にマツダ アクセラの改良版となるMAZDA3(マツダスリー)が発表されました。
昼休みにニュースを見た私は、早く実車を見たくてそわそわ。
土日まで待てないと感じ、そのまま仕事帰りに最寄りのマツダディーラーへ直行。
実車を見て触って、おまけに試乗までできました。
実は、アクセラの時代から展示車の運転席に座ったことは何度もあったのですが、試乗したことは皆無。
そのため、今回のファーストインプレッションはそのままMAZDA3の印象で、アクセラからの先入観やネガティブ・ポジティブイメージもないレビューになっています。
また当記事では、装備の紹介やスペックはカタログやファン本・専門サイトにお任せして、私なりに感じた乗り心地や使い勝手をご紹介。
この記事を読み終わる頃には、試乗予約をしたくなると思います(笑)
ディーラーへ着くと、2台のMAZDA3が店頭に停まっています。
赤いファストバック(MAZDA 3ではハッチバックではなくファストバックと呼ぶそうです)とグレーのセダン。
いつものマツダディーラーではない雰囲気が漂います。駆動デザインがより洗練された気がします。
アクセラからMAZDA3になったことで、どんな進化を遂げているのか検証しましょう。
MAZDA3の外観は、2017年東京モーターショーで発表された「VISION COUPE」と「魁 CONCEPT」のコンセプトが深く取り入れられ、鼓動デザインのフルモデルチェンジをはっきりと意識させてくれます。
どうでしょうか?
コンセプトだけでは終わらせない、エンジニアの意地を感じられます。
エレガンスさが感じられるセダンには、ボンネットから1本のラインがドアに向けて走っていますが、本当にキャラクターラインが少ないことに驚かされました。
ディーラーへ到着したのが夕方だったこともあり、夕陽がボディに映る景色を刻々と変えていきます。これは時間とともに楽しめる光の芸術と言えるのではないでしょうか。美しい!
セダンは、横から見ただけで美しさを感じる仕上げ。これまで感じていた野暮ったいセダンのイメージが変わりました。
特にファストバックでは、ドアにプレスラインが皆無。こんな車は、これまで見たことがありません。
凹凸のうねりだけで光の反射をデザインしてしまうボディは、とても魅力的で美しさに見惚れてしまいそう。
私が特に気に入ったのは、給油口までもがデザインの一部に取り入れられているように、サイドからリアにかけてのデザインが見事にまとまっていたところです。
この価格帯でこれだけのデザインを採用するあたり、こだわりのマツダ(MAZDA)ならでは。
例えばドライブに出かけても、このMAZDA3ならどんな景色とも調和し、インスタ映えしそう〜。
一新されたエクステリアに対し、インテリアは現行アテンザにも採用されたエレメント。
上級クラスのアテンザ と同等のインテリアを導入するとは、マツダ(MAZDA)には毎回驚かされるな〜。
凛とした線を水平方向に引いたデザインは、とても優雅であり余裕を感じさせます。
私のお気に入りは、ドアの窓枠からメーターに向かったライン。
とても造形の深い形状を組み合わせており、ドアを開閉するたびに組み木をイメージしてしまうダッシュボードとドアトリムが好きです。
またマツダ・コネクト(以下、マツコネ)は最新版となり、基幹エンジンが一新されました。
メーター類も液晶ディスプレイにあわせて線がすっきりと表示され、マツコネに表示される文字が圧倒的に読みやすくなりました。
マツコネの操作感覚は試乗のコーナーで詳しくお伝えします。
インテリアで特筆すべきはそのシート。
どの座席のシートも立ち姿勢のように骨盤が立っていて、腰や胸への圧迫感が感じられません。
このシートなら長時間のドライブでも、ストレスなく楽しめそうです。
大きく報じられることはありませんが、マツダのフットペダルはとてもよくできています。
欧州車でおなじみのオルガン式アクセルペダルを採用しており、踵支点で操作ができるので足の緊張も少なく、ふくらはぎが疲れにくいというメリットがあります。
さらには、運転をカジュアルだけど間違いなく操作させてくれる装備なのが、アクセルペダルと段差のあるブレーキペダル。
上下の差だけではなく、奥行きにも高低差があります。
ここからも、マツダ(MAZDA)が理想のペダル配置にこだわっていることが分かるのではないでしょうか。
マツダは、フロントタイヤハウスからの出っ張りをなくし、アクセルペダルを右端に配置するデザインを導入。
ドライバーの姿勢を真っ直ぐにすることが、理想のペダル配置なのだそう。
ブレーキペダルがアクセルペダルよりも高い位置にあるので、足を左に移動しただけでは引っかかってしまいブレーキを踏むことができません。
昨今の誤操作による悲しい事故が、このようなペダルを採用することで少しは減らせるのではないかと感じます。
今回の試乗では、セダンとファストバックの2台から選ぶことができました。
試乗可能だった2台の詳細は、以下のとおりです。
両方を試乗することもできたのですが、今回は営業時間の関係から1.8Lディーゼルを選択。
MAZDA3では残念ながらMTが選択できるグレードは、1.5LガソリンとSkyactive-Xだけ。
ぜひXDにもMTの設定が欲しかったところ。年次改良での追加を期待しています!
マツダの1.8Lディーゼルの音を聴くのは初めてです。
エンジンをかけ、外で音を聞いてみます。
思ったより音量があるのかな?
しかし余計な余韻がないので煩さはありません。
夜の市街地でもアイドリング音を気にする必要はほとんどないでしょう。
車内に乗り込んでみると、エンジン音はほとんど気がつかないレベル。
ディーゼル車が煩いというイメージを持った人には、ぜひ体感してほしいと思います。
駐車場で隣に車庫入れをしている車がガソリン車なのかディーゼル車なのか、よほどの車マニアでなければ分からないのではないでしょうか。
MAZDA3の軽い車両重量1410kgに合わせたのでしょうか。
1.8Lのディーゼルエンジンは、これまでマツダが展開していた2.2Lディーゼルエンジンよりも軽く、車体とのバランスがとてもよく感じられました。
登り坂もグイグイ登るし、2人乗車でもまだまだトルクは余っている感じです。
アクセルペダルの応答もよく、細かい踏み直しをしなくても意図したスピードを維持できます。
これだけ軽やかに走れると燃費も相当期待できそうです。
地味だけど、燃費ってとても大事ですよね。
ガソリン価格が1円値上がりしただけでも、給油を躊躇ってしまうのが主婦というもの。
燃費が良くて走行性能も劣らないなんて、お財布にも嬉しいですね。
ATが苦手な私ですが、MAZDA3は、いい具合に加減速を行なってくれます。
アクセルワークで操作できるAT車って案外ないですよね。
渋滞中の疲れ方は、こういう操作感一つだけでもかなり違うもの。
これなら、いずれはAT車を検討しても良いかな〜。
スポーツグレードのそれとは異なりますが、実によく効きます。
意図的にアシストが少なめに設定されていることから、強くブレーキをかけたいときは強く踏む必要があります。
しかし、その操作は本来あるべき自然な操作。かけたいようにかかるブレーキです。
強く踏むといっても、疲れる・重いという感覚はほとんどありません。
ゆっくり歩きたいときは自然と足をゆっくり出しますよね。
意図的にゆっくり足を動かそうと考えないのと同じです。
「強く減速したい」という思いに素直に従ってくれる操作感覚は、とても自然で疲れにくいし、いざというときに応えてくれるブレーキ・フィーリングは安心感があります。
意外だったのが足回り。
「これはスポーツグレード?」と思わせるような路面感覚。
道路を走行すると、舗装やマンホールの蓋など、コツコツと突き上げられる感じがあります。
ただこの突き上げ感は、「この道路はこういう路面状況だよ」ということを的確にドライバーへ伝えるよう、あえてチューニングされているのかも。
コツコツした突き上げを感じることからハードなのかというとそうではありません。
例えば、コンビニの駐車場へ入るときのような歩道への乗り上げ時には、「ガタン」ではなく「トン」と軽く柔らかい反応で教えてくれます。
また、交差点やカーブでも安定感があり、吸い付くように走ってくれます。
「硬くてロールしない」というわけではなく、「柔らかくグラグラ」なわけでもない。
それでいて、しなやかで路面状況がわかる魔法の足回りです。
これは実際に走行してみないと分からないので、ぜひ試乗で体感してほしいです。
外観を見ているとボディ面積に比べて窓の比率が低いことがわかります。
では、中からの景色は悪いのか。否です。
運転手に余計な情報を与えない設計になっている印象。
まず、フロントウィンドウが広くて大きい。
視界上に余計なものがなく、「視界ってこんなにスッキリしているものだっけ?」と思っていたら、その理由が後からわかりました。
運転席からワイパーが見えないのです。
もちろん雨天時に使用すれば視界を横断しますが、使用しない間は視界に入りません。
晴天下では、ワイパーってこんなにも邪魔な存在だったのだなと改めて気がつきました。
どうしよう・・・。自分の車に戻れなくなるかも(笑)
そして、視界の邪魔にならないAピラーとサイドミラーも適度な大きさと配置で好印象。
特にAピラーの形状は、車外の様子を的確に捉えることができるデザインで、交差点での歩行者にも気づきやすいメリットがあります。
8.8インチに拡大されたマツコネ画面は、解像度が高まり、歩行者の衣服のシワまで分かります(笑)。
360度モニターやバックモニター時に格段の視認性を発揮してくれます。
フロントウィンドウに投影される情報はこれまでと違いは無いようです。
大きな変化として、いま走っている道路の制限速度を表示するマークが、スピードメーターに追加されました。
加えて、スピードメーターのメモリにも、赤いラインで上限速度が表示されるようになりました。
交差点を曲がった時に、ふと「あれ?ここは制限速度何キロだったかな?」と思うことってありますよね。
そんな時は、メーターを見れば直ぐに分かる。
地味な改変ですが、安全運転に欠かせない新機能です。
量販コンパクトカーでこのような配慮がなされた車種というのは、私は聞いたことがありません。
実際に試乗してみたら、確認してほしい部分です。
実際の車の性能とは異なる部分ですが、マツダが力を入れている開発項目のひとつに操作フィーリングがあります。
「ウインカーレバーのしなり」「ウインカーの音」「エアコン温度調整つまみのクリック」「スイッチを押す力具合と反発力」など。
そのこだわりが表現されていて、MAZDA3は、車を運転する上での全ての操作が気持ちいいんです。
車線変更ひとつ取っても「後方の安全確認」「ウインカーを出す」「視界を確認する」「ハンドルを切る」「減速・加速をする」。
そういう何気ない操作の全てが気持ちいい車というのは、なかなか出会えないもの。
ハンドルは重くも軽くもなく、操作した感覚のとおりに車が方向を変える素直さ。
ハンドル操作の途中で深くしたり浅くしたりと修正舵を切ることなく、狙ったラインを走り抜けることができます。
低速度域や巡航速度では、特に気持ち良くハンドル操作が可能。車線変更も非常にスムーズ。
意のままに走ることができるのは、安心して運転ができることにつながります。
心強いのに安心して運転できるということは、車に求めることの中でも重要なことではないでしょうか。
また、ドアの開閉音がとても心地よく、ボディ剛性の高い欧州車を彷彿するような低くバスっとした音がします。
これは、前後のドアともに同じ感覚でした。
聞いたところによると、開発中には気密性が高すぎて半ドアになってしまうことが多く、開閉時のみ気密性を下げる工夫がしてあるそうです。
MAZDA3の実車を見る機会があったら、ぜひ注目して聞いてみてください。
マツコネは、主に運転手が操作することになると思いますが、大きな進化を遂げています。
ホームメニューもこれまでの横方向の選択画面から、縦方向の選択画面へと変わりました。
画面が高詳細に表示されるようになり、360度モニターやバックモニターの解像度が3段階くらい良くなりました。
ロータリーコマンダーを中心とした操作パネルは、奥側の3ボタンから上下左右の4象限方式に変わりました。
以前だとどの指がどのボタンを触っているかわかりにくかったのですが、今回の4象限方式は視線を移さずに操作できるので、ストレスなく操作できるでしょう。
ロータリーコマンダーを回す力加減・押し込む力加減も絶妙で、これまでのマツコネより操作しやすいです。
操作方法もわかりやすくシンプルで、試乗している間に操作を習得できてしまうほど。
うーん・・・ATENZAのマツコネもアップデートで変わらないかな〜〜(笑)
もっとも大きな変化は、レスポンス速度。
これまでのマツコネは、携帯電話で言えば3G回線。新しいマツコネは4Gのよう。
4Gに慣れたら3Gに戻れない。そんな感覚。
しかも、文字が読みやすいので、運転中に凝視することなく操作できるのは嬉しいですね。
さらに嬉しい機能が追加されました。
それは、CDから直接マツコネ内部メモリーに保存できるようになったこと。
これでUSBを持ち帰らなくてもすむなんて、ユーザーファーストなマツダらしい改良ですね。
今回のMAZDA3は音響がとても良いです。
試乗車はBOSEサウンド装着車でしたが、価格帯を考えると、相当に上質な音質が楽しめます。
試乗に際しては、WAVEファイルを詰め込んだUSBメモリを持ち込み、普段聴いている音楽をそのまま試聴してみました。
高域・中域・低域のバランスがとてもよく、「ジャズでのライドシンバル」「シティポップでのギターのカッティング」「ハウスミュージックでの迫力ある低音」、どれもバランスよく聴くことができました。
さらに、マツコネの設定画面から音響特性をチューニングすることも可能。
より好みに近づければ快適なドライブが楽しめることでしょう。
私の好みとしては、標準設定のサウンドはクリアに聴こえすぎるので、もう少し柔らかくセッティングしたいところでした。
しかし、洋楽やEDMを好む方は、標準状態でも相当に満足できる仕上がりではないでしょうか。
また、遮音性が高いのに、サイレンなど聞かなければならない音はしっかり聞こえるのが不思議でした。
外音を遮音するバランスも、ぜひ確認してみてください。
現時点でのオススメは、圧倒的に1.8L XD Burgundy Selection。
L Packageに比べ価格と装備のバランスがとても良く、また最上級グレードということもあり、数年後の下取りも期待できるから。
中古市場では、MAZDA車は圧倒的に上位グレードの人気が高いので、自然と下取り価格も上昇すると予想されます。
車雑誌ではPROACTIVEが推奨グレードですが、PROACTIVEにオプションを付けていくよりも、最初からL Packageを狙ったほうが費用対効果が良いことが多いです。
「2.0Lガソリン」「2.0L X」を狙っている方は、もう少しだけ待ちましょう。「2.0L X」についても続報がもうすぐ届くかも。
MAZDA3に試乗してみた感想は・・・
マツダのフラッグシップといえばATENZA。
そのATENZAに注ぎ込んでいる「技術」「装備」がこれでもかと盛り込まれています。
その仕上がりの車が、ATENZAに比べてもお買い得感満載な価格設定。
「エレガントなセダン」・「迫力のファストバック」、一目でわかるその深化した鼓動デザイン。
アップデートされたボディ・エンジン・足回りという自動車の基本性能、そして音響をはじめとした快適装備は、長く愛されるマイカーの素質十分です。
もしあなたが1.5L〜2Lクラスの車種をご検討しているのならば、ぜひMAZDA3試乗してみてください。
きっと、選択肢のひとつになることでしょう。
試乗はHPから申し込めるようです。
欲しいグレードのMAZDA3が置いてあるディーラーを検索してみてね。
公式HP:MAZDA 試乗車検索
最近は交通ルールを守って走っていても、予期せぬ事故に巻き込まれる危険性が増したように感じます。
私も事故にあいました。その経験をお伝えしています。
追突事故は突然やってくる!車に追突された現場で私がした8つのこと
上記記事でお伝えしたように、我が家も脇見運転の車に追突されたことも。
その時にドライブレコーダーを積んでいたので円満に解決できたことがあり、経験者としてドライブレコーダーは搭載することをオススメします。
ATENZAに自分でドライブレコーダーを取り付けた時には、延長ケーブルが必要でした。
ドライブレコーダーは、大容量のメモリーカードに記録しておくと安心です。
マツコネでたくさんの音楽を聴きたいあなたには、USBメモリがオススメです。
聴きたい音楽をたくさんフォルダー別に分けて保存でき、選択も簡単。