最近わたしが一番気に入って聴いているCDをご紹介します。
このCDは随分昔の曲なのですが、わたしの音楽の原点とも言えるほど、それは大きな影響を受けたものです。
魂を揺さぶられる、感動する、そんなありきたりな言葉では表現できないほど素晴らしい作品です。
わたしがキャロルキングさんの曲を初めて聴いたのは、坪倉唯子さんのライブアルバム「優しく歌って」でした。
このアルバムは、1991年3月4日に開催された坪倉唯子さんのバースデーライブを収録したものです。
坪倉唯子さんの歌が大好きだった当時のわたしは、このアルバムをヘビーローテションしていました。
★坪倉唯子さんて誰!?
日本の女性シンガー。1993年日本テレビ系ドラマ「ジェラシー」の主題歌「ジュテーム」を歌いヒットする。
後に近藤房之助さんらとBBクイーンズを結成。アニメ「ちびまる子ちゃん」の主題歌「踊るポンポコリン」が大ヒットした。
その大好きな坪倉さんが洋楽をカバーしているライブアルバムは、どこかで聴いたことのある曲が入っていて、懐かしい感じと歌声がマッチした素晴らしい作品でした。
そのバーステーアルバムに収録されていた「It’s Too Late」と「I Feel The Earth Move」の2曲は、とても繊細で、それでいて大胆に心へ入り込んでくるような、強烈に印象深いものでした。
「この曲のオリジナルを聴いてみたい」
そう思ったわたしは、この2曲が誰の曲なのか、オリジナルアルバムはあるのかを調べました。
そして分かったのは、どうやら「キャロルキング」という人の曲のようだということでした。
「Tapestry(邦題:つづれおり)」というアルバムが有名なシンガーのようです。
このアルバムには坪倉さんがカバーした曲が2曲も入っていたので、わたしは早速このアルバムを購入することにしました。
キャロルキングさんのCD「Tapestry(邦題:つづれおり)」が届き、聴いてみました。
アルバムを聴いてみて印象に残ったのは、ピアノのリズムが素晴らしく安定しているということでした。
「この人はバックのバンドに恵まれているんだな」
勝手にそう思っていました。
今ならわたしの手の中にある小さな箱を指先でササっと操作することで、演奏しているのが誰なのかを簡単に知ることができるのでしょうが、当時はPCのインターネットが普及してきたばかりの頃でネット上の情報はまだまだ少数でした。
わたしとキャロルキングの出会いは、あっさりと、そして軽いものでした。
キャロル・キング(Carole King)は1942年2月9日生まれの75歳。
アメリカ出身の女性シンガーソングライター。
1972年と2013年に『グラミー賞』を受賞。
1990年には「ロックの殿堂」入りしている。
「Tapestry(邦題:つづれおり)」のオリジナルアルバムは、1971年2月10にキャロルのソロアルバムとして発売され、全米アルバムチャートで15週連続1位をとっている。
またその後、302週連続でトップ100に入るロングセラーとなり、これまでに全米で1,100万枚が販売され、日本でも40万枚が販売されている。
グラミー賞では「最優秀レコード賞」(当時はCDではなく本当にレコードだったんですね)「最優秀アルバム賞」「最優秀女性ポップヴォーカル」「最優秀楽曲賞」の4部門を制覇。
※参考:Wikipedia
そして、わたしが坪倉さんのアルバムで知った「It’s Too Late」は、全米シングルチャートで5週連続1位に輝いていた有名な曲だったようです。
全然知らなかった。
2017年9月27日に、待望の最新アルバムが発売されました。
1971年(彼女が29歳の頃)に発売されたキャロルの「Tapestry(邦題:つづれおり)」は、現在までに2,200万枚以上も売れました。
今回のアルバムは2016年7月3日にロンドンのハイド・パークで開催された「タペストリー ライブ イン ハイドパーク」というライブを収録したものです。
このライブは、オリジナルアルバム「Tapestry(邦題:つづれおり)」を再現するというものでした。
世界中の人が聴いた29歳の彼女を、彼女自身がどう上回るのか。
きっと、人々は期待いっぱいに集ったのではないでしょうか。
何しろ、このライブを開催した時には、キャロルはすでに74歳なのですから。
74歳の歌声が29歳の歌声をどのように表現するのか。
下手をしたら幻滅されてしまうのではないか、ファンはそう考えていたと思います。
しかし、74歳のキャロルは、想像を超える歌声を披露したのでした。
このアルバムは輸入盤と日本盤がありますが、わたしのオススメは日本盤です。
日本盤には解説書がついているからです。
また、この作品が素晴らしいと感じられるポイントは2つあります。
この2点は、数いるミュージシャンの中でも滅多にあることではありません。
現代のライブでは、サプライズ感を演出するために、ライブでのセットリストはライブツアー後に発表するのがほとんどです。
ライブを訪れた観客にも「それまでは公開しないでね」と制約するライブも多くあります。
そのサプライズ感が重要だという考え方を根底から覆すことになる演出ですから、それは驚きました。
そこにいる誰もが次に演奏される曲を知っていて、思い出せてしまうのです。
そして次に演奏される曲を知っている観客を前にしても、なおその期待を上回る圧倒的な歌唱力と演奏パフォーマンスをみせつけてくれるのです。
そう、演奏パフォーマンス。
わたしがバックバンドに恵まれていると思っていたピアノ演奏は、なんとキャロル自身が演奏しているものでした。
DVDを再生したわたしは、1曲めがどの曲で、どんな演奏なのかを知っているのに、1曲めが終わる頃には涙で画面が見えなくなってしまいました。
45年の時を経て74歳となった彼女が、はたして声が出るのだろうか?
誰もが頭をかすめた疑問だと思います。
だって自分を思い返してみてください。
わたし自身、20代の頃に歌えていた曲を40代後半のいま同じように歌うことはできません。
声の張りが違うのです。
ところが、キャロルは見事にこの疑問を払拭したのです!
74歳の彼女が出す歌声はみずみずしく、そしてピアノは力強く、そしてアーティストとしてステージ全体への配慮も忘れない。
こんなに素晴らしいアーティストがいたなんて・・・
このライブがあることを事前に知ることができていれば、ロンドンへ行ってみたかった。
この素晴らしい瞬間に立ち会いたかった。
そう感じずにはいられない、素敵なアルバムとなっています。
この「タペストリー ライブ イン ハイドパーク」は、CDとDVDがセットになっています。
DVDではライブ会場であるハイドパークを照らす美しい夕陽、キャロルの歌声に聴きいる約6万5千人もの観客の表情、その全てがとてもおだやかな映像として収録されています。
そしてオリジナルアルバム「タペストリー」の全曲をステージで披露した初めてのライブ。
ライブでは、キャロルのギターが聴けたり娘との共演あり、そして過去のキャロル自身との共演ありと様々な演出がされていて、キャロルを初めて聴く人でも楽しめるものになっています。
CDでは、そのMC部分を省いた全てが収められており、今ではわたしの通勤に欠かせないアルバムとなっています。
また、このCDはBlu-spec CD2(BSCD2)というBlu-Ray Discの製造方法を使って作られたCDであり、とても高音質なものとなっています。
もちろん普通のCDプレイヤーで再生可能。
良い曲を、良い音質で聴く。
プチセレブは心の栄養を欠かせません。
このCDとDVDで有意義な時間を過ごし、また明日から頑張れそうです。
キャロルキングさん、ありがとう!!
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▼音にこだわるなら、原曲のアナログ盤がオススメ▼